もくまおう(@mokumaoukabu)です!
先日、世界一の投資家ウォーレン・バフェットが来日し、日本株に追加投資を検討すること、5大商社(三菱、三井、伊藤忠、丸紅、住友)を株式保有比率を上げたことが話題になりました。
ウォーレン・バフェットの投資手法や投資術に関してはたくさん世の中に出回っていますが、僕自身が一番分かりやすくて参考になったのは、中田花奈さんと濱本明さんの本です。
今回はこの本を紹介します。
【「バフェットの投資術」を学んだら、生き方まで変わった話】とはどういう本?
「バフェットの投資術」を学んだら、生き方まで変わった話
この本は、乃木坂46を卒業した中田花奈さんと、日本大学教授の濱本明さんとの対談(むしろ講義)がメインの本です。
濱本明さんが、当時全くの投資初心者だった中田さんに対してとても分かりやすく説明してくれています。
だからこそ、僕にとっても非常に分かりやすい。
本を読み終わってから企業の財務諸表を読むようになったほどです。
なぜ、バフェットの投資術?
大学の先生が、中田さんにイチから特別講義をするという企画本ですが、なぜバフェットの投資術をテーマにしたのでしょうか?
その理由は本のはじめに紹介されています。
ひとつその特徴をあげるとすれば、バフェットの投資術は「中長期的投資」という点にあります。
それは、企業の財務情報や社会の大きな潮流を見極めたうえで、「一生を添い遂げるつもりで投資する」というものです。
~中略~
「投資に興味はあるけど、なかなか時間がなくて」というにも適した投資の考え方が「バフェットの投資術」だというわけです。
引用先:「バフェットの投資術」を学んだら、生き方まで変わった話 P2
つまり、バフェットの投資術は、低コストで市場全体の動きを表す代表的な指数に連動したインデックス投資に似ています。
バフェットの投資理論
本は前半にウォーレン・バフェットとはどういう人物かを紹介しています。
今回は、あくまでバフェットの投資術を学ぼうというのが目的なので、中盤から書いてあるバフェットの投資理論を紹介します。
複利の力を知る
濱本先生は複利を分かりやすく紙の厚さに例えています。
紙の厚さを0.1mmとして、10枚の束だと1mm。
1回折ると2mm、2回折ると4mm、3回折ると8mmになります。
複利とは、貯蓄や投資による利回りを元本に足して再投資することで、先ほどの折り紙と同様、「雪だるま式」に元本が増えていくのです
引用先:「バフェットの投資術」を学んだら、生き方まで変わった話 P2
若い方ほどこの複利の恩恵が得られます!

若い人こそ投資をした方が資産を増やすチャンスですね!
若さがうらやましい・・・
感情的思考を持ち込まない
みんなが買っているからいい株だと思い、適正価格を考えず購入する。
このような考え方をすると、2000年前後に起きたITバブル崩壊のような結果を招いてしまいます。
その点、バフェットは他人の賛同はどうでも良くて、誰からも注目されない銘柄を選ぶのが得意です。しかし、好みだけどいつでも売却できる冷静さを持っています。
株に恋をしないことが大事です。
株価が上がっている時は投資先を選ぶ判断が甘くなりがちです。
逆に株価が低迷している時は臆病になりがちだが、自分の知識を信じて投資すべきだと濱本先生も説明されていました。
理解できない企業には投資しない
バフェットは、自分が理解できない企業に投資しません。
濱本先生は投資するには3つの決め手があると説明しています。
①事業内容に永続的競争優位性があるか
②経営陣が正直で有能かどうかであるか
③現在の価格は適正価格か
引用先:「バフェットの投資術」を学んだら、生き方まで変わった話 P102
バフェットの銘柄の探し方
ここから具体的に企業分析になります。
損益計算書
損益計算書は簿記をやっている方ならなじみ深いものですが、一番上の「売上高」からスタートして、様々な収益や費用を差し引いて、親会社に帰属する「当期純利益」を示します。
上から見るのが基本ですが、濱本先生は下から見るようにすべきと説明しています。
「営業利益」が20%以上、10%以上なら良いと言われています。損益計算書の一番上にある売上高が高くても営業利益率が低いなら危険な可能性があります。
そして、最終利益である「当期純利益」が右肩上がりであることが理想です。
貸借対照表
貸借対照表も損益計算書同様下から見るべきと説明しています。
そして、見る部分は「自己資本」と「有利子負債」です。
「自己資本」は返済不要の自己資金による調達額を示します。
「有利子負債」は利払いを伴う債務のことです。
有利子負債は低いほど良いです。(ただし、不動産業など有利子負債が多いのは前提の場合もあるので、すべてには該当しません)
キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書は
- 営業キャッシュフロー
- 投資キャッシュフロー
- フリーキャッシュフロー
営業キャッシュフローは、営業活動で出たキャッシュフローなので当然黒字が前提です。
投資キャッシュフローは、企業の拡大のために資金を投入するもの。バフェットは永続的競争優位性を好みますので、投資キャッシュフローが継続的に赤字になるのは好ましくありません。
フリーキャッシュフローは、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足したもの。赤字は要注意です。
自己資本比率
自己資金比率が40%以上なら良く、50%以上なら優秀とされています。ただし、必ずしも自己資本比率が高ければ優秀ではありませんので、損益計算書や貸借対照表なども確認する必要があります。
自己資本利益率(ROE)
株式からの出資をいかに効率的に運用しているかを表すものです。15%以上だと優秀とされています。
総資産利益率(ROA)
企業の資産をいかに運用しているかを表すものです。できれば6%以上を選定すべきです。ROAが低くても優秀な企業もあります。同じ業種で他社と比較して多額かどうかもチェックするといいです。
バフェット・コードを使おう
バフェット・コード(公式ページはこちら)は、バフェット流投資に有用な財務データ、財務指標データを条件として、絞り込み検索ができます。
例えば、バフェット・コードのトップページ左上にある「条件検索」をクリックし、ROE10%以上、営業利益20%以上、自己資本比率50%以上と検索してみましょう。


すると↓のような企業が該当しました。


バフェット指数
本では適正価格に関しては、素人ではなかなか難しいとして、あまり触れていません。
その変わり全体的に株高の時には手を出すべきではないので、これを判定するバフェット指数について説明しています。
バフェット指数は、株式の時価総額を名目GDPで割り、100を掛けてパーセント表示にした数字です。100%を超えると割高、100%以下だと割安だと判定します。
これらは、
内閣府ホームぺージ「国民経済計算(GDP)」(公式ページ)
日本取引所グループ「株式時価総額」(公式ページ)
で確認できます。



僕自身は、バフェット指数は使ってはいません。IR BANKのホームページから各企業のPERとPBRを見て判断しています!
日本市場はバフェット銘柄の宝庫
バフェット自身が、来日時、日本企業は100年先も成長性があると答えていました。この本でも、濱本先生は日本には長寿企業が多いと説明しています。
日本経済大学大学院特任教授の後藤俊夫先生が行った2014年の調査によると、日本には創業以来100年以上続いている長寿企業が25,321社存在し、その数の多さは世界に類を見ないほどです。
~中略~
100年企業は、バフェットの言う永続的競争優位性を有する企業である可能性が高いと言えます。
引用先:「バフェットの投資術」を学んだら、生き方まで変わった話 P170,171



日本もバフェット視点から考えれば、優良企業はたくさんあるわけですね!
以上、「バフェットの投資術」を学んだら、生き方まで変わった話
の要約を紹介しました。
最後までご覧いただきありがとうございました。一度きりの人生を豊かに。